足立遠元の解説【鎌倉殿の13人】文武両道の鎌倉武士

足立遠元

足立遠元(あだち とおもと)は、鎌倉時代初期の武将で、武蔵権守・藤原遠兼の子として生まれましたが、生年は不詳です。
母は豊島康家の娘(豊島清元の姉妹)です。
父・藤原遠兼は武蔵守に任ぜられた領家職で、武蔵国足立郡に土着しましたが、平将門に従った足立郡司・武蔵武芝の子孫ともされますので、まぁ、血縁関係があったのでしょう。
なお、豊島康家から、嫁いだ娘の化粧領が、足立遠元に譲られた足立郡ともされ、足立姓の祖となりました。
埼玉県桶川市に足立氏館跡がありますが、藤橋の六部堂、植田谷本の楠など旧大宮市などを中心に、足立荘は広大だったため、館跡の伝承も何ヶ所かあります。
また、鎌倉の有力御家人である安達氏と同族とする説もあり、源頼朝の流人時代からの側近・安達盛長は父の弟ともされ、安達盛長の妻は、源頼朝の乳母・比企尼の長女(丹後内侍)です。
同じく、足立遠元は、1160年、平治の乱で源義朝従い、源義平が率いる17騎のひとりとして戦い、遺児の源頼朝が伊豆に流されると交流がありました。
1180年8月、源頼朝が挙兵を決意すると、足立遠元には事前に知らされています。



ただし、足立遠元らが石橋山に駆け付ける前に、早く平氏側の大庭景親らと交戦となったため、石橋山の戦いには間に合わなかったようです。
しかし、房総に逃れた源頼朝が再起をはかると、10月2日、足立遠元は、豊島清元・葛西清重の父子らと共に隅田川付近にて、源頼朝に合流しました。
これは、武蔵の武士として、最初に迎えに参上したとれ、畠山重忠・河越重頼・江戸重長らも参じています。
源頼朝が鎌倉を制圧すると、足立遠元は、武蔵国足立郡の本領を安堵されましたが、これも、東国武士への最初の本領安堵とされます。
宇治川の戦いでは、源義経の寄騎として活躍しています。

1184年10月6日、鎌倉幕府公文所(くもんじょ)が設置され、大江広元が別当に就任すると、中原親能・二階堂行政・足立遠元・中原秋家・藤原邦通の5名が寄人となっています。
これらのことから、足立遠元(足立右馬允遠元)は、朝廷との繋がりを期待されたものと考えられますが、東国武士として数多くの合戦にも果敢に挑んだ武勇ある武将の中、唯一文官として選出されているのは特筆するところです。



1186年には、平頼盛などと鎌倉に滞在していた、公卿・一条能保(藤原通重の長男)の餞別の儀が、足立遠元の屋敷にて行われています。
餞別の儀(せんべつのぎ)と言うのは、赴任するなどで、遠くに出発する際に、酒宴などを開いて、旅の無事を祈願するものです。
北条時政の後任として、一条能保が京都守護になった際のことと考えられますが、藤原氏と足立氏の関係を示しています。

1190年、源頼朝が上洛した際には、右近衛大将拝賀の布衣侍7人にも選ばれて、参院の供奉を行いましたので、藤原氏の出身という事で、朝廷などでの儀式にもある程度、精通していたのでしょう。
平清盛の時代には、大番役などで上洛もしており、足立遠元の娘のひとりは、後白河天皇の近臣・藤原光能に嫁いでおり、藤原知光(1168年生まれ)・藤原光俊を産んでいます。
そのため、鎌倉幕府にて朝廷などとの交渉も行った、中原親能、大江広元とも親類と言えます。
別の娘は、畠山重忠、北条時房(初代連署)と、それぞれ結婚しました。

1199年、源頼朝が死去し、源頼家が2代鎌倉殿になると「十三人の合議制」のひとりに、安達盛長・中原親能・大江広元とともに名を連ねました。

源実朝と源氏4代に仕えましたが、吾妻鏡では、1207年3月3日に、闘鶏会に参加したのを最後に、見られなくなり、程なく没したと考えられています。



1285年、霜月騒動にて、嫡流の足立直元は、安達泰盛に味方して敗北したため、本領・足立郡を失い、没落しました。
子のひとり、足立遠光は、丹波国氷上郡佐治郷に下向すると土着し、足立一族が佐治郷に丹波・山垣城を築いて戦国時代まで続きましたが、明智光秀に滅ぼされています。

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