一条天皇を2分でわかりやすく要点解説【光る君へ】7歳で即位した藤原道長全盛期の天皇

一条天皇とは

一条天皇（いちじょうてんのう) は平安時代中期の第66代天皇。
父は円融天皇で、その第1皇子として980年に生まれ、懐仁親王（やすひとしんのう）と呼ばれた。
母は藤原詮子（藤原兼家の娘）で、兄弟姉妹はいない。

2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」では、俳優の塩野瑛久(しおのあきひさ)さんが一条天皇を演じられる。

984年、父・円融天皇が藤原兼家に譲歩して退位して花山天皇が即位する条件として、懐仁親王が次の皇太子になった。
その花山天皇が1年10ヶ月あまりの986年に、内裏を出て出家したため、数え年7歳で懐仁親王が即位し一条天皇となった。(寛和の変)
太政大臣は藤原頼忠で、左大臣は源雅信。
藤原兼家は上記上官の2人が邪魔なので、右大臣を辞して摂政に就任することで部下から脱却し、天皇の外戚として摂政・氏長者の座を手に入れている。
次の皇太子には冷泉天皇の第2皇子・居貞親王（三条天皇）が立てられた。

989年、一条天皇は藤原兼家と母・藤原詮子の希望で、藤原氏の氏神である奈良の春日大社に行幸。

永祚2年（990年）、関白になった藤原兼家が死去した際、長男・藤原道隆が関白を務め、一条天皇の皇后に娘の藤原定子を入内させ中宮を号させた。

991年、父・円融法皇が崩御したため、母・藤原詮子が出家し東三条院と呼ばれた。

995年には、藤原道隆の次女・藤原原子が、皇太子・居貞親王（三条天皇）の妃となったが、藤原道隆は病に伏して死去。享年43。
藤原道隆の弟・藤原道兼が関白になったが、世に「七日関白」と言われるほど短期間で死去。享年35。
磁気関白を巡って藤原道隆の子・藤原伊周と、藤原道隆・藤原道兼の弟である藤原道長が争うが、一条天皇の母后・東三条院（藤原詮子）の意向を受け入れた一条天皇は、藤原道長(藤原詮子の弟)を内覧とした。
こうして、藤原道長は内覧の肩書で関白並の実権を掌握し、藤原伊周は没落している。

996年、紫式部の父・藤原為時が越前守となって越前・武生（たけふ）に赴任し、宗の商人・朱仁聡（ヂュレンツォン) との交渉にも当たった模様。

999年、藤原道長の長女・藤原彰子(12歳)が一条天皇の女御となった。
その一方で、藤原定子(藤原道隆の長女)が、第1皇子・敦康親王を出産している。
この年、内裏が焼失し、一条天皇は生母・藤原詮子の御在所（一条院）に遷御。

藤原定子には清少納言が仕え、中宮・藤原彰子には紫式部・和泉式部・赤染衛門らが女房として後宮で活躍し、平安女流文学が花開いた。
他の女御には、藤原義子(太政大臣・藤原公季の長女)、藤原元子(左大臣・藤原顕光の長女)、藤原尊子(藤原道兼の長女)がいる。

1000年、藤原定子が皇后、藤原彰子が立后となり、一帝二后の例をつくった。
以後、皇后の定員は2名になっている（一帝二后）。
しかし、藤原定子が難産で崩御すると、藤原彰子(13歳)が一条天皇の唯一の正室となり、一条天皇の第1皇子・敦康親王の養母になっている。

1005年、天文学者で陰陽師の安倍晴明が死去すると、一条天皇の命により、安倍晴明の屋敷跡に晴明神社が建てられた。

1008年、藤原彰子の懐妊し、30時間以上に及ぶ難産の末、土御門殿にて一条天皇の第2皇子・敦成親王（後一条天皇）を出産。
1009年、再び藤原彰子は安産で第3皇子・敦良親王（後朱雀天皇）を産んでいる。

1011年、病が重くなった一条天皇は、居貞親王（三条天皇）に譲位。
出家した3日後に崩御した。宝算32。(在位25年)
陵は京都市右京区竜安寺朱山の円融寺北陵。

36歳の居貞親王(冷泉天皇の第2皇子)が即位して三条天皇となり、皇太子には中宮・藤原彰子の子である敦成親王（後一条天皇）が立った。
藤原道長は念願の摂政に就任し、皇位継承は円融・一条系に一本化された。