藤原兼家とは
藤原兼家(ふじわら の かねいえ)は平安時代中期の公卿で929年に生まれた。
父は村上天皇のもと正二位・右大臣になった藤原師輔(ふじわら の もろすけ)で、藤原兼家は3男である。
母は藤原経邦の娘・藤原盛子。
2024年NHK大河ドラマ「光る君へ」では、俳優の段田安則さんが藤原兼家の役を演じられる。
できる限り簡潔に分かりやすく藤原兼家を紹介してみたい。
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藤原兼家の母が産んだ兄弟に藤原兼通、藤原忠君、藤原安子(村上天皇の皇后で冷泉天皇・円融両天皇の母)、藤原登子(村上天皇後宮でのち尚侍)、藤原怤子(冷泉天皇の女御)などがいる。
このように村上天皇の崩御後、藤原安子の生んだ憲平親王が即位して冷泉天皇となった。
また、守平親王が円融天皇へと続いたため、この藤原北家が摂関家嫡流を手にした。
953年、藤原中正の娘・藤原時姫との間に、長男・藤原道隆が誕生。
966年には5男・藤原道長が生まれている。
970年、藤原北家の嫡流の藤原実頼が薨去すると、長兄・藤原伊尹(これただ)が後を継いで藤氏長者となり摂政に任じられている。
しかし、972年、病に倒れた長兄・藤原伊尹も糖尿病で死去。(享年49)
そして、母が同じひとつ上の兄・藤原兼通(かねみち)が、藤原頼忠に代わって藤氏長者となり、正二位・関白太政大臣に叙任され、天延3年(975年)には従一位へと昇った。
弟である藤原兼家の長女・藤原超子と冷泉上皇との間には居貞親王(後の三条天皇)が生まれていたが、昇進もストップしており兄・藤原兼通と不仲になって左遷されていた。
ところが、977年、重い病に伏した兄・藤原兼通は、藤氏長者を藤原頼忠に復すとまもなく死去。(享年53)
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関白・藤原頼忠(よりただ)は天皇との外戚関係がなく政治的基盤が不安定だったこともあり、しばらく不遇になっていた藤原兼家を右大臣として復帰させ、藤原頼忠の娘・藤原詮子を円融天皇の女御にした。
ところが、藤原頼忠の娘・藤原遵子を中宮にした円融天皇に失望した藤原兼家は、藤原詮子・懐仁親王らと東三條殿の邸宅に引き籠っている。
984年、困っていた円融天皇は折れ、冷泉天皇と藤原伊尹の娘・藤原懐子の間に生まれていた師貞親王に譲位。
藤原頼忠の娘が産んだ皇子ではない花山天皇(17歳)が即位したことに喜んだ藤原兼家であった。
まもなく花山天皇が寵愛していた女御・藤原忯子が17歳で急死。
悲しみに暮れた花山天皇は出家したいと言い出していた。
藤原兼家は外孫の懐仁親王(一条天皇)を即位させるために奔走し、986年、山科の元慶寺で花山天皇(19歳)を出家させ、退位に追い込んだ。(寛和の変)
源満仲(多田満仲)など武士も味方にして巧みに策略を図ったと言えよう。
こうして、まだ7歳の一条天皇が即位し、藤原兼家は天皇の外戚として右大臣・摂政(せっしょう)になった。だが、すぐに右大臣を辞すると摂政のみになったが、これが日本ではじめて皇族以外の者が独立して強い権威をもつ「摂政」就任と言う事であり、摂政・藤氏長者となった。
<注釈> 摂政(せっしょう)とは、幼帝・女帝に代わってすべての政務をとる職務の事で関白より地位が高く、現在の日本でも法律で規定されている。
藤原氏が摂政の座とともに、成人後の天皇を補佐する関白(かんぱく)も独占することになった。
989年、円融法皇の反対を押し切り長男・藤原道隆を内大臣にしている。
990年、一条天皇が元服した際に、藤原兼家は晴れて関白になった。
しかし、僅か3日で病気を理由に嫡男・藤原道隆に関白を譲って出家。
その2ヶ月後に藤原兼家は病没した。享年62。
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藤原兼家の死後は長男・藤原道隆が跡を継ぎ、一条天皇の皇后に娘の藤原定子を入れ、藤原氏は全盛期を迎える。
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