松平広忠
松平広忠(まつだいら-ひろただ)は、戦国時代の1526年に、岡崎城主・松平清康の子として生まれました。
母は青木貞景の娘(または青木弐宗の娘、松平信貞の娘)とされます。
2023年NHK大河ドラマ「どうする家康」では、俳優の飯田基祐さんが若き松平広忠を演じられます。
松平広忠が10歳の頃(1535年)に、父・松平清康は、尾張へ侵攻し、那古野城主である織田信秀の弟・織田信光が守備する守山城を攻撃しました。
しかし、大手門の近くで、家臣の阿部正豊(阿部弥七郎)に斬られて死亡します。享年25。(森山崩れ・守山崩れ)
まだ若かった阿部正豊は、阿部定吉が織田信秀に内通したとのうわさが流れていたこともあり、本陣で馬が嘶く音を聞き、本陣にいた父が成敗したと勘違いしたとされています。
この事件は、織田信秀の妹を正室にしている、一族・松平信定の陰謀ともされており、混乱に乗じて岡崎城を占領されてしまいます。
スポンサーリンク
そして、松平広忠は、命を狙われるようになります。
しかし、父を殺害した阿部正豊の父・阿部定吉(阿部大蔵定吉)は、子の罪を問わなかった松平広忠に、忠義を尽くすことを誓っていました。
1536年、阿部定吉(阿部大蔵定吉)は、松平広忠を連れて吉良持広の所領がある伊勢・神戸城付近に赴いたとされます。
吉良持広は、三河・東条城主ですが、伊勢にも領地があったようです。
そして、阿部定吉と吉良持広は、駿河の今川義元らに支援を頼むために主従は駿河にて今川家と会談します。
こうして、今川勢の援軍を得ると、三河・室城に入って岡崎城を伺いました。
そのため、岡崎城の松平信定は、松平広忠らを攻めましたが失敗し、大久保忠俊らの譜代家臣も松平広忠の岡崎復帰を助け始めます。
1537年6月、岡崎城の留守を預かっていた松平信孝(松平信定の甥、松平清康の弟)を、松平広忠に寝返らせ、ついに松平広忠は岡崎城に戻りました。
ただし、復帰までの年代や経緯に関しても、他の説など諸説あります。
その後、不利を悟った松平信定は、松平広忠に帰順していますが、まもなく1538年に死去しています。
阿部定吉は、子の罪を深く自覚してためか、養子もおらず、阿部家は途絶えましたが、のち、一族の阿部正勝が活躍し、江戸幕府では阿部正次が老中にもなり、幕末には安政の改革を断行した阿部正弘がいます。
スポンサーリンク
話を戻しますが、尾張の織田信秀は、三河への攻撃を止めず、松平広忠は苦慮します。
1540年、三河・安祥城が陥落すると、今川勢の援軍と4回ほど戦闘があったようです。
小豆坂の戦いなど、岡崎城近くでも激しい合戦となっており、今川勢には太原雪斎の名も見受けられます。
1543年、正室である於大の方(水野忠政の娘)との間に「竹千代」(徳川家康)が生まれましたが、同じ年に重臣の水野信元が織田家に寝返ったため、於大の方は離縁されたようです。
一般的に「竹千代」(徳川家康)は、今川家に人質に出されたことで知られています。
しかし、1547年には、岡崎城が織田勢によって落とされて、降伏したようで、その頃「竹千代」(徳川家康)は、最初、織田家に人質として出されたようです。
この話は、今川家に人質として送ったところ、その護送を担当した戸田康光が、途中にある居城・の裏切りにあい、竹千代の身柄は1000貫戸田康先は、松平広忠の継室・真喜姫の父でした。
その直後に戸田康先の田原城は今川勢によって攻められ、戸田家は滅亡しています。
こうして、竹千代は尾張で人質になった訳ですが、織田信長は14歳くらいですので、名古屋に来た松平竹千代(5歳前後)と、面識も得たことでしょう。
その後、今川勢の太原雪斎が、1548年頃に安祥城を攻撃すると、守備していた織田信秀の長男・織田信広を捕らえました。
こうして、織田信広と「竹千代」(徳川家康)の人質交換が行われて、松平竹千代は、駿河・今川家の人質となりました。
松平広忠は、1549年3月6日に死去。享年24。
死因は不明で、暗殺説・討死説など謎となっていますが、家臣の岩松八弥(片目弥八)に刺殺されたもあります。
スポンサーリンク
岩松八弥(片目弥八)が暗殺した話の場合には、ちょっと話が長くなりますが下記の通りです。
天野孫三郎と言う松平広忠の家臣がいましたが、西広瀬城の佐久間全孝を暗殺するように命を受けたと言います。
佐久間全孝を殺害したら大浜で100貫、手傷を負わせたら50貫を与えると約束があったようです。
天野孫三郎は佐久間家に仕官してチャンスを待ち実行しましたが、ケガを負わせたものの暗殺には失敗したようです。
そのため、三河・大浜で50貫になったとあります。
なお、佐久間全孝は1549年、三河・岡崎城に刺客・岩松八弥(片目の八弥)送り、松平広忠を暗殺したとする説もあります。
今川義元はただちに太源雪斎を派遣して岡崎城を接収すると、三河は今川家の属国となりました。
ちなみに2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」では、松平広忠を俳優の浅利陽介さんが演じられました。
【第7弾 #追加キャスト】
家康の父で、岡崎城主。
勇猛果敢な武将だが、三河へ侵攻する織田氏からの攻勢に苦しむ。
信長に嫡男・竹千代(後の家康)を人質として奪われ苦渋の決断を迫られる。#どうする家康#家康の新たな家族 pic.twitter.com/Wav13vK6r0— 2023年 大河ドラマ「どうする家康」 (@nhk_ieyasu) December 20, 2022
・於大の方 松平康俊【徳川家康の母と子の運命】
・松平清康 三河を平定した徳川家康の祖父
・徳川家康がなぜ天下を取れたのかを検証「人財智生」
・織田信秀 名将が乗り越えられなかったもの
・織田信光 織田信長の家督継承に協力するも?
・今川義元「分かりやすく解説」領国経営に優れた優秀な戦国大名だった
・安祥城の解説【どうする家康】松平親忠・安祥城の戦い
・太原雪斎の分かりやすい解説【どうする家康】今川家を導いたその計れ知れない英知
・松平昌久のわかりやすいちょっと解説~松平氏宗家の座を狙った大草松平家の当主
・尾張・守山城 織田家と松平家の争いと森山崩れ(守山崩れ)
・徳川家康【超詳細版】~徳川家康にすごく詳しくなれる詳細版
コメント