篠村八幡宮「旗立楊」ここから鎌倉幕府打倒が始まった足利尊氏出陣の地

篠村八幡宮

篠村八幡宮(しのむらはちまんぐう)は、京都府亀岡市篠町篠にある神社で、旧山陰街道沿いにあります。
1333年、流刑となっていた後醍醐天皇は隠岐島を脱出し、伯耆・船上山城にて籠城し、鎌倉幕府打倒を掲げます。
足利高氏(足利尊氏)は、それまで鎌倉幕府に従って、倒幕の反乱軍を駆逐していましたが、後醍醐天皇の呼びかけに応じて、急きょ、倒幕に味方することにしました。
その時、足利高氏(足利尊氏)は、篠村八幡宮にて戦勝祈願をし、約10日間滞在して、合流する武士団を待ちました。
このように、足利尊氏が倒幕の挙兵をしたのが、この亀岡の篠村八幡宮と言う事になります。


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下記は、白旗を翻した「旗立楊」(はたたてやなぎ)の場所になります。
境内から北側に出たところにあります。
足利尊氏は、味方を呼び掛けた諸将が、集まって来る諸将の目印として、揚(やなぎ)の木に足利の家紋「二つ引両」と源氏の「白旗」を掲げたとされています。

篠村八幡宮「旗立楊」

太平記によると、久下時重など、加わった軍勢は2万3000騎にもなったと言います。
出陣の際に、各武将が1本ずつ、矢を奉納したとされ、集まったたくさんの矢を埋めたとされるのが下記の「矢塚」となります。

篠村八幡宮の矢塚

4月29日に挙兵した足利尊氏は、播磨の赤松円心、近江の佐々木道誉らの援軍を得て、挙兵して約10日後の5月7日には、京の六波羅探題を滅ぼしました。
その翌日の5月8日、関東で新田義貞が挙兵し、小手指原の戦い、久米川の戦い、分倍河原の戦いを経て、鎌倉に侵攻すると、執権北条高時らが5月22日に東勝寺で自刃し、鎌倉幕府は滅亡しました。

足利尊氏の活躍は、後醍醐天皇から勲功第一と評価され、たくさんの所領と鎮守府将軍・左兵衛督などの位も得ます。
しかし、足利尊氏は後醍醐天皇と対立し、一時は京から後醍醐天皇を比叡山に退かせますが、新田義貞・楠木正成北畠顕家らの攻勢を受けて、1336年、亀山の篠村八幡宮まで撤退し、再起祈願を行っています。

篠村八幡宮

摂津・豊島河原の戦いで新田勢に大敗すると、足利尊氏は九州へと逃れました。
宗像大社などを味方につけ、九州の後醍醐天皇に属している菊池武敏らを破ると勢力を盛り返し、湊川の戦いで新田義貞・楠木正成を撃退して再び京を制圧しました。
こうして、足利尊氏は光明天皇を立てて、室町幕府を創設し、後醍醐天皇が京を脱出すると吉野に朝廷を置き「南朝」を称したことから、南北朝時代になったと言う事になります。

足利尊氏出陣の地

篠村八幡宮の創建は、平安時代の1071年とされ、源頼義の寄進と伝わります。
主祭神は、誉田別命(ほんだわけのみこと、応神天皇)です。
室町時代は将軍・足利家の庇護を受け、多くの社領を寄進されたとのことです。

篠村八幡宮

そして、戦国時代、1582年に、明智光秀は、丹波・亀山城から出陣し、足利尊氏と同じように京を目指したと言う事になります。
ただし、織田勢による丹波平定の際に、神社の社殿は焼けていたとの事ですので、戦勝祈願までは行わなかったと推測されます。

篠村八幡宮

江戸時代になると、丹波・亀山城に入った菅沼定芳によって再建され、亀山藩主から代々、庇護を受けたとされます。


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篠村八幡宮への交通アクセス・行き方ですが、JR西日本・嵯峨野線の馬堀駅から、徒歩で約20分の距離です。
東側の旧山陰街道沿いに、無料の駐車スペースがあります。
ただし、狭いところもある道路でして、小型のレンタカーで途中で曲がったら、交差点、曲がれず、バックで戻りました。

下記のYahoo!地図をご覧になり、広めの道路からポイント地点の駐車場まで入って行くことをお勧め申し上げます。

トイレはちょっと古くて男女兼用でした。
観光所要時間は10分~15分といったところです。

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足利公方邸跡(鎌倉)、鎌倉時代初期に足利義兼が構えた屋敷は足利尊氏も住みやがて激動の室町時代を迎えます。

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