美崎御嶽とは
美崎御嶽(ミサキウタキ)は、沖縄県石垣市登野城にある御嶽(うたき)。
御嶽(うたき)とは、祭祀などを行う聖域の事で、祖先神や琉球神話の神を祀る。
日本の本州で言うと集落の氏神様の概念に近いか・・。
石垣島や竹富島・西表島などの御嶽は「オン」と呼ぶことが多く、地元の皆様は美崎御嶽のことを「ミシャシオン」と言う。
石垣島には六山(主のオン「六つの拝所」の意味で、島の開祖とされる6人の酋長を祀っている)を初め、20を超える御嶽がある。
ミシャシオンでは、航海安全・海上平安の神様が祀られている。
西暦1500年、首里王府が赤蜂の反乱(オヤケアカハチの乱)を征討した際に、帰途神の神託によって建てられたと言うのがこの美崎御嶽。
オヤケアカハチを討ち取った長田大主の姉で神女の真乙姥(まいつば) が、王府の軍船が那覇まで無事に帰還できるよう美崎山に籠って祈願したのが始まりとされる。
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長田大主と真乙姥の妹?は、反乱を起こしたオヤケアカハチの妻であった。
そのため、長田一族が琉球王朝に臣従し、謀反の心がないと言う印象を与えるためにも、真乙姥は熱心に祈祷したようで成功したと言えよう。
その後、長田大主は石垣島での政治的にも重要な役目を与えられ、尚真王から神職を与えられた真乙姥の墓とされる真乙姥御嶽も近くにある。
このように無事に軍船が沖縄本島に戻ったことから、美崎御嶽は航海安全祈願の御嶽になったようだ。
その後、美崎御嶽は八重山の蔵元が管理する公儀御嶽(クギィオン)となり、石垣島にて最も高い神格をもつ特別な御嶽となった。
小規模ながら、首里城の園比屋武御嶽に似ているという。
<注釈> 蔵元とは行政機関の名称で、石垣島では石垣・大浜・宮良(みやら)の3間切(まぎり)として区分され、3人制の頭を頂点とした島政機関が蔵元と言う事になり、首里城から役人が派遣味された。石垣島の蔵元は八重山支庁・八重山博物館の一帯にあったようだ。
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美崎御嶽の奥には親泊御嶽(ウヤドウマリオン)もあると言うが、沖縄の人々にとって御嶽はとても神聖な場所で、外部の人間は立入禁止となっている所も多い。
今回も、長い時間、熱心に拝んでおられる若い女性がいたため、鳥居から先へ入ることは自粛し、遠い所からの撮影に留めさせて頂いた。
交通アクセス
美崎御嶽への行き方・交通アクセスだが、石垣市の市街地にあり、石垣港離島ターミナルからだと600m徒歩10分くらいの距離。
船の時間が1時間くらいあいた際などにちょっと寄れると良い。
紫外線対策、暑い日には熱中症対策、虫除けは必須。
その他、オヤケアカハチの銅像がある場所と、オヤケ赤蜂之碑がある場所など含めて、当方の沖縄当方オリジナル地図では、史跡や観光地の駐車場などをポイントしている。
スマホで表示すればカーナビとして使用することも可能。(バス乗車・歩行者・自動車のナビ可能)
地図の検索窓から施設名を入れて選択を。
・フルスト原遺跡(オヤケアカハチ屋敷・大浜フルストバル城)オヤケアカハチ(遠弥計赤蜂)~オヤケ赤蜂之碑
・石垣島「川平貝塚」ちょこっと解説~石垣の国指定史跡
・竹富島・小城盛(クスクムイ火番盛)~八重山諸島・竹富島の砦跡
・黒島番所・プズマリ(黒島・先島諸島火番盛)~八重山諸島・黒島の砦跡
・石垣島・平久保遠見台(先島諸島火番盛)~平久保崎灯台
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