小田原・善栄寺の歴史解説~巴御前の墓・木曽義仲の墓・北条氏康夫人の墓

小田原・善栄寺

善栄寺

相模・善栄寺(ぜんえいじ)は、神奈川県小田原市栢山にある寺院です。
善栄寺は、鎌倉時代の1215年に、巴御前(ともえごぜん)が、木曽義仲和田義盛の菩提を弔うために創建したと伝わります。
木曽義仲(源義仲)は、1184年に、京にて巴御前と別れると、粟津の戦いにて討死します。
巴御前のその後に関しては、諸説ありますが、のちに、鎌倉幕府源頼朝に呼び出されたのか?、鎌倉に赴くと、和田義盛に預けられたもあります。


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平家物語などでは、和田義盛が預かったのではなく、巴御前は和田義盛に再嫁したともされ、朝比奈義秀を生んだともされます。
朝比奈義秀(あさひな よしひで)は、1176年、和田義盛の3男として誕生していますが、一般的に、母親は不詳です。

1213年、鎌倉で和田の乱になると、朝比奈義秀は剛腕を発揮しましたが、討死したと考えられています。

なお、前述したとおり、朝比奈義秀が生まれたのは1176年で、巴御前の夫・木曽義仲(源義仲)が討死したのは1184年ですので、巴御前が、朝比奈義秀を産んだとは考えにくいところです。


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和田合戦のあと、巴御前は、かつて共に戦った、越中・福光城の石黒氏の元に身を寄せていたともあります。
そのまま、巴御前は、亡くなるまで過ごしたともあり、巴御前松公園があります。

他にも、巴御前は、大津にある木曾義仲の墓所近くに、草庵を結んで日々供養したともあり、その義仲寺(ぎちゅうじ)は国史跡にもなっており、伝・巴御前の墓もあります。

このように、木曾義仲討死後の巴御前に関しては、諸説あり、よくわからないと言ったところです。
ちなみに、巴御前を救った白狐様の逸話が、小田原駅から近い笠守稲荷にあります。

律宗の僧・善法真栄上人を勧請して創建したと伝わりますが、栢山・善栄寺にある巴御前の墓は、木曾義仲の墓と、並んでいます。
善法と言うのは、良い教えを説くと言う意味だと存じますので、真栄と言う名が僧侶の名前と考えられますが、この律宗の真栄に関しても、よくわかりません。

その後、南北朝時代の頃になる1336年、鎌倉・円覚寺の第10世・東明恵日禅師が足柄の地に隠棲していた際に、臨済宗に改められて、再建されたようです。

戦国時代に入ると、1554年、小田原城北条氏康に嫁いだ、今川氏親の娘(瑞渓院)が、如意山善栄寺を再興しました。
北条氏政北条氏照北条氏邦北条氏規早川殿(今川氏真の正室)などを産んだと考えられる今川氏親の娘(瑞渓院)は、もちろん教養もあり、巴御前にあこがれていたような節も感じる、強い女性だった模様です。


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1590年、豊臣秀吉による小田原攻めになると、7月5日、北条氏直は滝川雄利の陣所を訪れて降伏します。
その前の6月12日、小田原城が包囲される中、今川氏親の娘(瑞渓院)と、北条氏政の継室(鳳翔院殿)は、同じ日が命日になっていることから、自害したものと考えられています。

善栄寺の近くには、二宮尊徳が生まれた、二宮家もあるため、二宮尊徳の銅像もありました。

二宮尊徳の銅像

巴御前の墓・木曽義仲の墓

巴御前と木曽義仲の五輪塔は、善栄寺の本堂前に、堂々とあります。

巴御前の墓・木曽義仲の墓

巴御前は、和田義盛の菩提も弔ったともされていますが、和田義盛の供養塔はないようです。

北条氏康夫人の墓

北条氏康夫人の墓は、善栄寺の本堂左手側にありました。

北条氏康夫人の墓

ただ、江戸時代に建てられたもののようですので、供養塔と言う事になるでしょう。

二宮尊徳と二宮一族の墓

また、二宮尊徳と二宮一族の墓が、墓地の中にあります。
二宮家の墓は、ちょっと、わかりにくいですが、木製の細い柱が、建てられている場所になります。

二宮尊徳と二宮一族の墓

交通アクセス

小田原・善栄寺への行き方ですが、小田急線の栢山駅(かやま)から、約650m、徒歩8分くらいの距離です。
車の場合、善栄寺の駐車場が利用できます。
場所は当方のオリジナル地図にて、墓地側の大きな駐車場の入口をポイントしております。ポイントしてあります。
地図の検索窓から「善栄寺」と検索して頂けると、すぐに表示されるかと存じますし、スマホでカーナビ代わりにもお使い頂けます。

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