小諸城跡について

小諸城跡について

小諸城のあらまし

小諸城(こもろじょう)は、
長野県小諸市にある日本の城跡です。
別名、酔月城、穴城、白鶴城です。

【所在地】
〒384-0804 長野県小諸市丁311

【小諸城のあらまし】
長享元年(1487年)に
大井光忠によって築城されたと考えられています。
戦国時代
武田信玄の東信州経営のため
に現在の縄張りとされたと言われています。
現在残っている城跡の元になったものは、
武田信玄の軍師であった
山本勘助の縄張りだと言い伝えられていますが、
根拠となる史料は現存はしていません。

【改修】
安土桃山時代から江戸時代にかけて、
石垣を構築した近世城郭に改修されました。
現在のような構えとなったのは
仙石秀久の改修によるものです。
三重天守もその頃に建てられたものです。
天守には桐紋の金箔押瓦が
用いられていたと伝わりますが、
寛永3年(1626年)に落雷によって焼失しています。

【城郭について】
城郭は城下町である
市街地よりも低地に縄張りされ、
市街地から城内を見渡すことができます。
このため穴城とも鍋蓋城ともいう別称があります。
また、浅間山の田切地形の
深い谷を空堀として利用しており、
西側の千曲川の断崖も
天然の防御として利用されています。
富士見展望台から
現在は動物園となっている場所への移動の橋である
「白鶴橋」から
その断崖の様子がよく見えます。

写真は小諸城跡から少し離れた場所にある「大手門」です。
国の重要文化財です。

【交通アクセス】
しなの鉄道及びJR小海線 小諸駅下車 徒歩5分

小諸城の歴史

天文23年(1554年)に竣工。
小諸城主は武田家の親族衆である
武田信豊であるとする説がありますが、
武田信豊が小諸城主であったことを示す
確実な記録はないとのことです。
武田勝頼の頃には、
御一門衆の下曾根浄喜が城代を務めていました。

天正10年(1582年)3月、
織田・徳川連合軍の甲斐侵攻際の時は、
諸城に逃れてきた武田信豊を
浄喜が打ち取り、
首を織田信長に進上したが、
浄喜も誅殺されたとのことです。

武田氏が滅んだ後に、
上野国と信濃佐久郡・小県郡は
織田家臣の滝川一益が領し、
城代は道家正栄が務めたとされています。
天正10年6月2日の本能寺の変により
相模国の後北条氏が上野へ侵攻。
6月19日に滝川一益は
後北条氏との神流川の戦いで敗退しました。
敗走した滝川一益は、
箕輪城(群馬県高崎市箕郷町)を経て
碓氷峠を越え、6月21日に小諸城へ入城しました。
6月21日には佐久郡の国衆・依田信蕃が小諸城において
滝川一益と面会し、さらに木曽郡の木曾義昌とも交渉し、
6月27日に小諸城を退去して、
佐久・木曽両郡を通過して
本国の伊勢国長島へ帰還しました。
これにより小諸城主は依田信蕃となりました。

その後、小田原征伐後に
依田氏が徳川氏に従って関東地方に移ります。
代わって小田原征伐での功労が認められ、
5万石で再び大名に列せられた仙石秀久が、
天正18年(1590年)に入城しました。
元和8年(1622年)に2代目の仙石忠政が
上田城へ転封となるまで居城していました。

江戸時代には小諸藩の藩庁が置かれました。
その後は松平氏、青山氏、酒井氏などが封じられ、
元禄15年(1702年)に、
牧野康重が移封された後は、
牧野氏10代となる康済の時に明治を迎えました。

2006年(平成18年)4月6日、日本100名城(28番)に選定されました。

下の写真は、
小諸城跡となる懐古園の入り口にある三之門です。
現在は、当時の建造物は石垣と現在の懐古園の入り口の三之門、
市街地に存在する大手門のみが現存しています。
大手門と三之門の2棟は共に、
国の重要文化財に指定されています。
その他、天守台、石垣などが現存しています。

三之門は1615年に建てられましたが、
寛保2年(1742年)に起きた洪水によって
大手門、足柄門と共に損壊しました。
現存する三之門は明和3年(1766年)に
再建されたものです。
三間櫓門、寄棟造、桟瓦葺きです。

小諸城址懐古園について

城跡は、市営公園小諸城址懐古園(こもろじょうし かいこえん)
として整備、公開されています。
入場は有料で、
500円(園内施設入館料を含む。散策のみの散策券は300円)です。

園内には小諸市動物園をはじめ、
小諸市児童遊園地、
小諸市立小山敬三美術館、
小諸市立郷土博物館
(かつては小諸市立火山博物館でしたが、
展示物は高峰高原に移転)、
小諸市立藤村記念館、
懐古神社、
徴古館があります。
また園に隣接して小諸寅さん記念館、
鹿嶋神社、
小諸義塾記念館などの施設があります。

旧城郭の馬場跡を中心に
ソメイヨシノが多数植樹されており、
日本さくら名所100選に選定されています。
4月下旬の桜の開花時期には
多くの花見客でにぎわいます。
また紅葉の名所としても有名です。

なお、小諸市動物園は、
設立は1926年(大正15年)と長野県最古です。
明治15年の上野動物園(東京)、
大正4年の大阪市天王寺動物園(大阪)、
大正7年の東山動物園(名古屋)などに次いでいます。
小規模ながら非常に古い歴史のある動物園です。
現在は86種余りの飼育を行っていて、
メスライオンの「ナナ」さんや、
「川上犬」のさくらさんがいます。

川上犬とは、
川上犬(かわかみいぬ)は、
長野県南佐久郡川上村に伝わり、
保護育成されている
小型日本犬の一種です。
信州川上犬とも、川上狼犬とも言われています。
写真は展望台からの眺めです。
この写真の後方左側には
「白鶴橋」があり、
見事な断崖と小諸市動物園への入り口となります。

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