三河・今川城(今川氏発祥の地)～三河・今川館の今川国氏と今川了俊

三河・今川城(今川氏発祥の地)　

三河・今川城(今川氏発祥の地)は、愛知県西尾市今川町土井堀にある三河・今川氏の中心地と考えられている。
この地に今川城があったかは不明なようだが、今川城と記載している事例もあるため当方も即させて頂いた。
ただし、最初の築城は鎌倉時代と言えるため、感覚的には「三河・今川館」と表したほうが正しいような気がする。

ともあれ、三河・今川城跡(今川氏発祥の地)は西尾市立西尾中学校の南側にひっそりとある。

もともとは三河国幡豆郡吉良庄と言い平安時代末期に「西条」「東条」の2つに分かれ、九条家が管理する公家領であった。
そして鎌倉時代の1221年、承久の乱にて武功があった足利義氏が吉良荘を得て、なおかつ三河国守護となったのが始まりとなる。
この時、足利義氏は当時の矢作川で分けて、東側の吉良荘東条には三河・東条城を構えた。
西側は吉良荘西条として西尾城の位置に三河・西条城を築き庶長子・吉良長氏が入ったようだ。
見聞諸家紋では「義氏之次男義継号東条、三男長氏号西条」とあり、三河・吉良氏は西条・東条両家に分かれている。

<注釈> 室町幕府を開いた足利尊氏は、宗家・足利氏(上野国)の本流。

そして、吉良長氏(足利義兼の孫)の嫡男・吉良満氏は三河・西条城を継ぎ、吉良長氏は今川荘にて隠居したようだ。
1290年に吉良長氏が死去すると、隠居していた今川荘は吉良長氏の次男・今川国氏に与えられて今川氏と称し今川氏の祖となった。

今川国氏(いまがわ くにうじ)は鎌倉時代の1243年生まれで、1282年に亡くなっている(享年40)のだが業績などは不明。
その今川国氏の長男・今川基氏は今川家を継ぎ、次男・今川常氏は関口氏の先祖になっている。
今川氏の3代・今川基氏のとき、安達泰盛の乱（霜月騒動）で武功があり遠江国引間荘（静岡県浜松市）を与えられて今川氏は遠江に移って本拠とした。
5男・今川範国（今川五郎）は駿河国・遠江国の守護職となって、のち戦国大名化していく訳だ。

現在の今川氏発祥の地には、今川範国の子である今川了俊（今川貞世）の供養塔がある。

この今川了俊に関しては下記にてご紹介したい。

今川了俊

今川了俊(いまがわ-りょうしゅん)は南北朝時代に活躍した武将で、今川貞世（いまがわ さだよ) と言い1326年に生まれた。
今川貞世(今川了俊)の父は初代とされる今川範国。
兄弟に今川範氏、今川氏兼、今川仲秋がいる。
父と共に足利尊氏に従い、南朝勢の足利直義らと戦った。
それらの功績から遠江国守護、山城国守護、室町幕府の侍所頭人、引付頭人などの要職を務めている。
室町幕府2代将軍・足利義詮が死去した際に出家・剃髪し「了俊」と号した。
室町幕府3代将軍・足利義満からは九州探題に任命され、南朝勢力から大宰府を奪回。
良成親王がいた染土城も陥落させ九州を平定し、備後、安芸、筑前、筑後、豊前、肥前、肥後、日向、大隅、薩摩の守護も兼ねた

しかし、九州での実権を目指す大内義弘の讒言により解任され、駿河・遠江半国の守護職となり、弟・今川仲秋、甥の今川泰範と分割統治した。
そして謀反の疑いをかけられたが、1402年、政界に関与しないことを条件に許されている。

墓所は静岡県袋井市の海蔵寺(遠江・堀越城)。

このように室町幕府を支えた智将として知られるのが今川了俊（今川貞世）で、今川一族の堀越氏・瀬名氏の祖となった。

なお、愛知県中世城館跡調査報告Ⅱ三河地区によると、南のほうにある諏訪神社も三河・今川氏館跡となっているようなのてこの辺り一帯にあったと言えよう。

交通アクセス

三河・今川城(今川氏発祥の地)への交通アクセス・行き方であるが名鉄西尾線の西尾駅より徒歩20分くらい。
駐車場が無いのが難点だが、当方のオリジナル地図「名古屋・北陸方面」にてポイントしている。
オリジナル地図「名古屋・北陸」方面
スマホ画面などで表示して「検索窓」から検索して、カーナビ設定することでも使用可能。(徒歩ナビとしても可能)

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