西教寺(さいきょうじ)は、滋賀県大津市坂本にある寺院で、400の末寺を持つ天台真盛宗(しんせいしゅう)の総本山になります。
開基は聖徳太子とする伝承もありますが不詳です。
比叡山三塔の横川(よかわ)への登山口にもあたり、近くには比叡山の鎮守である日吉大社などもあります。
平安時代には比叡山延暦寺と関わったようで、鎌倉時代末期の1325年には、後醍醐天皇の帰依を受けた円観が西教寺を再興したとあります。
中興の祖とされる僧・真盛は、室町時代の1486年に天台念仏と戒律の道場としたことから、西教寺は栄え、天台宗真盛派(現在の天台真盛宗)になりました。
この真盛(しんせい)は、19歳で比叡山に入ると、20年以上も山を下りることなく修行・学業に専念し、宮中や公家・女官・守護などに無欲と慈悲を説き、一日も絶えることなく念仏を唱えたと言います。
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戦国時代には、約10万坪の境内に42の堂塔伽藍が建ち並ぶ立派なお寺でしたが、1571年、織田信長が比叡山焼き討ちを行った際に、西教寺も焼失しました。
その後、本堂などが再建されましたが、近江・坂本城に入った明智光秀の支援もあったと考えられています。
明智光秀は、戦死した家臣らの供養も西教寺で行っており、供養米を寄進した寄進状が現存しています。
総門は坂本城の移築門(トップ写真)ともされいますが、やや登りの参道の左右には桜も並び、6つの子院が並んでいました。
紅葉の時期も良さそうです。
参道の正面突き当たりには勅使門があります。
その左に宗祖大師殿、奥の小高くなった場所に本堂、客殿、書院などがあります。
本堂は、江戸時代の1739年に再建されたもので、国の重要文化財に指定されています。
客殿は、大谷吉継の母らの寄進により、1598年に建てられたもので、同じく国の重要文化財です。
客殿は伏見城の建物を移築したとも言われています。
浄土・来迎関係の美術品も含めると国の重要文化財は23件もあるそうです。
また、境内には明智光秀の供養塔と、明智一族の墓もあります。
下記は、明智光秀の正室である明智煕子の墓です。
その明智煕子の墓は、小さめで石垣のすぐ下にありました。
下記は明智煕子の実家ともされる、妻木一族の供養碑になります。
西教寺は高台にあるため、下記のように琵琶湖を望むこともできました。
西教寺の拝観は境内・本堂が無料ですが、客殿・客殿庭園は、大人500円で有料となるようです。
坂本観光案内所では、比叡山延暦寺+三井寺+西教寺(客殿)の天台宗三総本山が参詣できる特別巡拝券と言う割引チケットも販売されているようです。
坂本ケーブル乗車が2割引きになるなど、お得なようですよ。
客殿の入口と、御朱印は本堂奥へ進むとあります。
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西教寺への交通アクセス・行き方ですが、JR湖西線の比叡山坂本駅、京阪石山坂本線の坂本比叡山口駅から江若バスで、西教寺バス停下車の徒歩3分となります。
山門の左側に無料の参拝者用駐車場が完備されています。
駐車場の場所は当方のオリジナル地図にてポイントしてあります。
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の一舞台でもある西教寺ですが、見学所要時間は20分~50分といったところです。
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