島津久光(しまづひさみつ)は、幕末の薩摩藩主・島津斉興の3男で、兄には薩摩藩主となった島津斉彬がいます。
兄が正室の子であった反面、島津久光の母は、側室であるお由羅の方であり、本来であれば藩の実権も無縁でした。
しかし、西郷隆盛らを側近としていた兄・島津斉彬が死去すると、遺命で島津久光の子・島津忠義が藩主の座につきます。
以後、子の島津忠義を補佐する形で「国父」と称し、薩摩藩における実質的な権力を島津久光が掌握しました。
誠忠組の大久保利通らを抜擢すると、亡き兄の意思を継いで公武合体を進めるため、薩摩藩兵を率いて京に入り、過激な攘夷派の薩摩藩士を寺田屋騒動にて鎮圧しています。
生麦事件では、薩摩藩の行列横切ったイギリス人を斬ったため、のち薩英戦争となり、外国の強さを思い知ります。
しかし、命に背いた西郷隆盛を事実上の死を意味する徳之島への遠島処分にするなど独裁的な面もあります。
島津久光は藩主になったことも無く、官位も得ていなかったため、中央での発言は思うようにいかず、公武合体は次第に後退します。
そして、西郷隆盛・大久保利通らにより、倒幕への道に進むことになりましたが、最終的に島津久光は了承・決断もしています。
そのため、朝廷より島津久光・島津茂久へ討幕の密勅が下され、薩長を中心として戊辰戦争を戦い幕府を倒しました。
明治維新になると、大久保利通らが進めた新政府の急激な改革を批判し、藩の維持など旧体制の特権を求めました。
武士に対して廃刀令が出ても、島津久光は髷も切らず、和服で帯刀することを辞めなかったと言います。
そのため、政府の意思決定からも実質的に排除され、鹿児島の帰郷すると晩年は隠居生活を送りましたが、明治政府も叙位・叙勲・授爵では最高級で遇しています。
明治20年、島津久光が死去すると、鹿児島で国葬が執り行われました。享年71。
島津久光を演じた俳優さん
大河ドラマ・映画などで、俳優さんが島津久光を演じています。
※敬称略
青木崇高「西郷どん」(大河ドラマ/2018年)
江口直人(どぶろっく)「花燃ゆ」(大河ドラマ/2015年)
有福正志「龍馬伝」(大河ドラマ/2010年)
江守徹「徳川慶喜」(大河ドラマ/1998年)
高橋英樹「翔ぶが如く」(大河ドラマ/1990年)
露口茂「田原坂」(ドラマ/1987年)
仲谷昇「竜馬がゆく」(ドラマ/1982年)
戸田晧久「竜馬がゆく」(大河ドラマ/1968年)
武智鉄二「暗殺」(映画/1964年)
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(参考)
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